神奈川新聞(6/4)

6月4日、神奈川新聞の裏面一面に掲載されました。
驚かれた方も多いのではないでしょうか?

景観問題に関して、都市美対策審議会の会長へのインタビューです。

「(市と事業者の)協議が不調になったものに対して、港湾局が土地を貸し付けることは市民としても納得がいかないわけだから、それをどうやって説明するのか、ということを一番問いただしたい。都市美対策審議会の意向に合ってないということが露呈したから、それでも土地を貸し付けるのは市長の今までの市会での答弁と合わない気がする」

そして今後の景観行政への提言もしています。

「開発規模が極めて大きいことや景観上重要な位置などが重なった場合は、都市美対策審議会のメンバーも加わり、事業者と市との3者で協議するシステムが実現できればよい。さらにその協議も市民に公開したい。合法ではあるが妥当でないものを拒否できるのは、最後は市民の力だ。これを受けて条例を変えなければ市はやる気がないと思われるはず。これだけの規模でこれほど重要な場所なのに、通常と同じ協議はあり得ないと思う」

カナロコへはリンクされていないようですので、スキャンしたものを掲載致します。

PDFデータ

(6月28日追記)
以下、記事をテキストデータに致しました。

神奈川新聞 2012年(平成24年)6月4日 (かながわトピックス)

なぜMMで景観論争?

日本最大級の結婚式場計画をめぐって
横浜市都市美対策審 卯月盛夫会長に聞く

横浜・みなとみらい21(MM21)新港地区の結婚式場をめぐり、景観論争が起きている。なぜMMで景観問題なのか。市長の諮問機関「都市美対策審議会」から異議が出た計画に市が土地を貸し付けることができるのか。都市美対策審議会会長の卯月盛夫・早稲田大学教授に聞いた。(聞き手・三木 崇)

—反対意見をまとめたのは過去に例がない。
「われわれの意見としては『協議は不調である。もっと協議を続けられるのなら続けてほしい』と申し上げた。ぼくは大変つらい立場だった。ぼくらは行政の諮問機関ではあるけれども、行政の下請けではない。ある意味では市民の代表である。また、その分野における専門家でもある。行政は間違ったことをするし、ときには誤った判断もする。そのときにきちんと言えるのが審議会なのだから、これは市民のために申し上げなければいけない、と正直に発言した」

—「協議が不調に終わった」とはどういう意味か。
「ぼくらは市から出てきた案件について意見を聞かれる立場。事業者との協議の責任は全部市役所にある。(市と事業者の)協議が不調になったものに対して、港湾局が土地を貸し付けることは市民としても納得がいかないわけだから、それをどうやって説明するのか、ということを一番問いただしたい。都市美対策審議会の意向に合ってないということが露呈したから、それでも土地を貸し付けるのは市長の今までの市会での答弁と合わないという気がする」
「MM地区の土地を売却する場合はものすごく厳しい審査がかかる。今回は土地の売却でなくて貸し付けなのでそのシステムに乗っていない。本来は土地の賃貸でもやるべきだし、そもそも、あの広大な面積がひっかからないというのはおかしい」

—外観デザインの何が問題なのか。
「あまり細やかなデザインの指摘をあえて言わなかった。というのは、細やかなことを解決すればいい、と受け止められるから。都市美対策審議会でずっと申し上げたのは、あの大規模で、一つの事業者がいくつかのブロックに分けて時代のデザインが違う結婚式場をつくるという企画そのものが信じられない、と。欧州では古代から中世、近世、近代の建物が複層して街ができあがり、それが魅力になっている。しかし、今回の場合は赤レンガ倉庫があることから歴史だけをうまく利用して、いくつかの時代のそれぞれの象徴的な建物をあたかも200年、300年かかってできてきた街の様子を一瞬にして作り出そうとしている。また外壁の素材の選択についても、歴史的な建物を正しく再現しているわけではない」

—MM地区での建設計画だ。
「横浜は他の都市とはまったく違う。日本の中で横浜だからぼくは反対なのです。MM地区は40年かけて涙が出るような、行政や民間の人たちの努力もあって質の高いものしか作らせないようにやってきた。40年かけた財産というのがここに潜在的な価値としてある。この土地を開発しようとする人はこの土地が持つ価値を踏まえて慎重に取り組まないと、この40年を破壊することになる。そのために事前協議がある。市はきちんと伝えようとしたにもかかわらず、事業者には伝わらなかった」

—市の姿勢はどう見えたか。
「港湾局長は『あんな重要な場所を空き地にしておくのはもったいないので何かしたい』と言った。港湾局の土地が入っているのだから、もっと先手を打って港湾局が仮に絵を描いて、事業者に『こんなことをやりませんか』と提案することも十分あり得た。指をくわえて待っていたわけではないだろうが、出てきたら『こんな形じゃなかった』と言うことは、ぼくは行政としてちょっと手を打つのが遅かったのではと思う」
「ドイツでは、重要な土地は民間の土地であっても行政はコンペをしかける。日本ではコンペは公共の土地、公共の事業でしかできないと思いがちだ。民間の土地でも公共性の高い重要な土地であれば、どんどんコンペをすべき」

—今回のケースから見える課題は。
「現在の景観法の枠組みや横浜市の条例の根本的な仕組みが揺らいできたという印象がある。今まで民間の事業者は横浜市の都市デザインの行政に基本的には協力してくれるということを前提にしている。今回のケースから、もっと事業者の立場を配慮しながら接点を見いだしていくという新たな方法で協議をしなければいけないと思う。その瀬戸際なのだと思う」
「横浜市の都市デザイン行政は、文章だけで、あるいは形式的な協議ではいいものは生まれないことは田村明先生(元市技監でMM計画を含む都心部強化事業など市6大事業を推進)がご存命のころからみんな知っていた。そのときは文章なんていらなかった。言葉が悪いけど『俺が条例だ』みたいな。事業者が書いてきたものを『ここを直せ。ここをこうするともっといいものになるぞ』という、行政というより一緒に街をつくっていくプランナーとして、立場がたまたま行政と事業者だけど、一緒にこの街をつくっていこうと誘導しながらやってきた。ところが、今そういう人はいない。そうさせてしまったのは日本の法律。法律や条例にないことを指導してはいけない、行政指導の方針を明らかにしなさい、と。もっといいものつくろうということが指導できない、あるいは創造的な協議すらできなくなってきているという逆の矛盾が起きている」

—横浜市に提言を。
「開発規模が極めて大きいことや景観上重要な位置などが重なった場合は、都市美対策審議会のメンバーも加わり、事業者と市との3者で協議するシステムが実現できればよい。さらにその協議も市民に公開したい。合法ではあるが妥当でないものを拒否できるのは、最後は市民の力だ。これを受けて条例を変えなければ市はやる気がないと思われるはず。これだけの規模でこれほど重要な場所なのに、通常と同じ協議はあり得ないと思う」

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